ゴーヤーチャンプルーとは?鹿児島の伝統野菜の魅力
ゴーヤーは、鹿児島の暮らしを彩る伝統野菜で地産地消のホープ。
春になると鹿児島市のホームセンターや種苗店には苗ものが並びますがその中でも目を引くのがゴーヤーのコーナーです。
ゴーヤーの栽培が比較的にし易いので鹿児島市民に人気です。ゴーヤーの葉が茂る特性を利用してグリーンカーテンとして幼地園、小学校、あるいはレストランなどでよく見る風景です。
夏になると、地元の直売所には朝取りのゴーヤーが並びますしスーパーのゴーヤーも地元農協からの新鮮なゴーヤーが並びます。
ゴーヤーは地産地消の代表的な野菜で粒々の盛り上がった新鮮なゴーヤーを見ると夏バテも簡単に解消できそうな気がしてきます。
地産地消を意識しているレストランのシェフの方もさりげなく旬のゴーヤーを料理に取り入れたりしています。
ゴーヤーが店頭に出回ると多めに購入します。持ち帰り刻んで冷凍庫に保温します。
朝食のルーテインは、ゴーヤーのジュースかゴーヤーのスムージです。
特にスムージ―にはゴーヤーのほかに豆乳、ヨーグルト、バナナ他トマトなどを加えます。
夏バテ知らずで元気に過ごしています。
冷凍庫のなかのカットゴーヤーは、サンマの函詰とさっとチャンプルーに。
カレーにゴーヤーを加えて。苦みとカレーのハーモニーがいいです。
特にゴーヤーの旬の時期には値段の安くなります。ゴーヤーと色々な素材を組み合わせて楽しむ夏の季節は至福の時ですね。
ゴーヤーの栄養価と健康効果
ゴーヤーは夏にぴったりな栄養豊富な野菜として知られています。ビタミンCが豊富で、免疫力を高める効果が期待でき、疲労回復にも役立ちます。また、苦味成分であるモモルデシンが、苦みの成分ですが健康増進に役立つといわれています。
鹿児島では、このゴーヤーを日常的に取り入れることで、暑い夏でもバテ知らずで過ごすことができます。特に夏バテ対策としてゴーヤーチャンプルーが好まれるのは、ゴーヤーの豊富な栄養素が体の疲れを癒してくれるからです。現代でもその効能は変わらず、ゴーヤーの魅力は年々増していると言えるでしょう。
それでは、次にゴーヤーがどのように鹿児島で栽培されてきたか、その歴史を探っていきましょう。
鹿児島のゴーヤー栽培の歴史
鹿児島のゴーヤー栽培は、沖縄から伝来した歴史を持っています。もともと沖縄の特産物として知られていたゴーヤーが、鹿児島でも受け入れられ、現在では広く栽培されています。その背景には、鹿児島の温暖な気候がゴーヤー栽培に適していたことが挙げられます。
また、江戸時代には薩摩藩が沖縄との交易を盛んに行っていたため、ゴーヤーが自然と鹿児島に持ち込まれたと言われています。それ以来、ゴーヤーは鹿児島の食卓に欠かせない存在となり、家庭菜園でもよく栽培されています。
現在では、ゴーヤーを栽培する農家さんも増えてきていますので鹿児島県でも品種改良が進んでいます。鹿児島のメインの品種は「か交5号」とチャンピオンです。タイプとしては細長い形をしたゴーヤーになります。
鹿児島流のゴーヤーチャンプルーは、地元の黒豚やさつま揚げと組み合わせることで、独自の風味を生み出してきました。それが次第に進化し、現在の形になったのです。
それでは、ゴーヤーチャンプルーの由来についても見てみましょう。
チャンプルーの由来と鹿児島での進化
「チャンプルー」という言葉は、沖縄の方言で「混ぜる」という意味があります。沖縄ではさまざまな具材を一緒に炒める料理が一般的であり、ゴーヤーチャンプルーもその一つです。この料理が鹿児島に伝わり、地元の食材を取り入れることで独自のアレンジが加えられていきました。
特に鹿児島では、地元の特産である黒豚を使用することが多く、豚肉の旨味とゴーヤーの苦味が絶妙なバランスを生み出します。
黒豚は江戸時代に当時の琉球(沖縄)から伝わってとされています。鹿児島では現在品種改良がイギリスのバークシャー種との間でなされ現在の「鹿児島黒豚」としてブランドになっています。
鹿児島黒豚は上の画像の黒豚と違い鼻、四つの足、尻尾に白斑があることが特徴になります。鹿児島では「鹿児島黒豚」をそだてるのに餌にある一定量のサツマイモを加えているので脂肪がさっぱりとして旨味のある肉が生まれるそうです。
この美味しい黒豚の肉とゴーヤーの組み合わせがあり鹿児島流のチャンプルーレシピはより進化したものになっていると思います。
また、鹿児島には美味しい名物があります。それが「薩摩あげ」。
「薩摩あげ」のルーツは、沖縄の「チキアギ」といわれています。魚をすり身にして油で揚げることにより美味しさと保存性を向上させた伝統食。鹿児島に伝わったことで「つけあげ」になり更に全国に広がり「薩摩あげ」と呼ばれるようになりました。
これも魚肉蛋白として栄養はもとより美味しさで、黒豚に負けないくらいの鹿児島流アレンジレシピになっています。
次に、基本のゴーヤーチャンプルーレシピをご紹介します。
基本のゴーヤーチャンプルーレシピ
材料選びのコツ(鹿児島産ゴーヤーの見分け方)
ゴーヤーチャンプルーを美味しく作るためには、まず新鮮なゴーヤーを選ぶことが大切です。鹿児島産のゴーヤーは、その鮮度が高く、栄養価も豊富です。ゴーヤーを選ぶ際には、まず表面にツヤがあり、鮮やかな緑色をしているものを選びましょう。また、表面のイボがしっかりと立っているものは、苦味が少なく、食べやすいとされています。
さらに、ゴーヤーの硬さも重要です。軽く握ったときにしっかりとした弾力があるものが新鮮です。逆に、柔らかく感じるものや、黄色く変色しているものは避けた方が良いでしょう。
鹿児島産のゴーヤーは、全国的にも高品質で知られており、その風味と栄養価から多くの支持を得ています。地元の市場や直売所で手に入れることができるので、ぜひ新鮮なゴーヤーを使ってみてください。
続いて、ゴーヤーの下処理方法について解説していきます。
下処理の秘訣(苦みを抑える方法)
ゴーヤーの苦みが苦手な方も多いかもしれませんが、適切な下処理を行うことで、その苦みを和らげることができます。まず、ゴーヤーを縦半分に切り、中のワタと種をしっかりと取り除きましょう。このワタ部分が特に苦味を持っているため、丁寧に取ることで味が格段に良くなります。
次に、薄切りにしたゴーヤーを塩もみする方法です。塩もみをすることで余分な水分が出て、苦みも緩和されます。また、塩もみをした後に水で洗い流すと、さらに苦味が軽減され、食べやすくなります。
これらの下処理をすることで、ゴーヤーチャンプルーをより美味しく仕上げることができるでしょう。では、具体的な調理プロセスについて見ていきます。
ステップバイステップの調理プロセス
まず、フライパンに油を熱し、豚肉を炒めます。豚肉はあらかじめ塩と胡椒で下味をつけておくと、風味が増します。豚肉が色づいたら、次にゴーヤーを加えて炒めます。この際、強火で手早く炒めるのがコツです。
続いて、豆腐を手で崩しながら加えます。豆腐は水切りをしっかりと行っておくと、仕上がりがより美味しくなります。豆腐が崩れすぎないように、優しく混ぜ合わせるのがポイントです。
最後に卵を加えて全体を軽く炒め、卵が半熟になったところで火を止めます。これで、基本のゴーヤーチャンプルーが完成です。
次は、鹿児島流のアレンジレシピについて解説していきます。
鹿児島流アレンジゴーヤーチャンプルーレシピ
黒豚とゴーヤーのチャンプルー
鹿児島の特産品である黒豚を使ったゴーヤーチャンプルーは、地元ならではのアレンジです。黒豚は旨味が強く、ゴーヤーの苦みを引き立てながら、全体に深みを持たせる役割を果たします。鹿児島ならではの進化系「チャンプルーと言っもいいでしょう。
材料
- ゴーヤー 1本
- 黒豚薄切り肉 150g
- 豆腐 1丁
- 卵 2個
- 醤油 大さじ1
- 塩 適量
- 胡椒 適量
- サラダ油 適量
作り方
- ゴーヤーは半分に切ってワタを取り、薄切りにして塩もみし、水洗いしておく。
- 豆腐は水切りをして、手で崩しておく。
- フライパンにサラダ油を熱し、黒豚を炒め、塩胡椒で味付けする。
- 豚肉に火が通ったらゴーヤーを加えて炒め、豆腐を加えてさらに炒める。
- 卵を溶き、全体に流し込み、軽くかき混ぜる。
- 醤油を回し入れ、味を整えて完成。
黒豚のジューシーさとゴーヤーの苦味、そして豆腐と卵の優しい味が絶妙に絡み合う、鹿児島ならではの一品です。
さつま揚げ入りゴーヤーチャンプルー
もう一つの鹿児島流アレンジとして、さつま揚げを使用したゴーヤーチャンプルーも人気です。さつま揚げの甘さと魚の風味が加わることで、また違った味わいを楽しめます。薩摩あげは魚肉蛋白でゴーヤーのビタミンCや抗酸化作用で美味しさもですが夏バテ克服に最適の一品間違いなしです。
材料
- ゴーヤー 1本
- さつま揚げ 2枚
- 豆腐 1丁
- 卵 2個
- 醤油 大さじ1
- 塩 適量
- 胡椒 適量
- サラダ油 適量
作り方
- ゴーヤーは半分に切ってワタを取り、薄切りにして塩もみし、水洗いしておく。
- 豆腐は水切りをして、手で崩しておく。
- さつま揚げは薄切りにしておく。
- フライパンにサラダ油を熱し、さつま揚げを炒める。
- ゴーヤーを加え、さらに炒める。
- 豆腐を加え、全体を軽く炒める。
- 卵を溶き、全体に流し込み、軽くかき混ぜる。
- 醤油を回し入れ、味を整えて完成。
さつま揚げの風味がゴーヤーの苦みと相性抜群で、食べごたえのある一品です。
ゴーヤーチャンプルーの健康効果を最大限に活かすポイント
ゴーヤーの栄養価を最大限に引き出すためのポイントは、適切な調理と食材の組み合わせです。特に、ゴーヤーのビタミンCは加熱しても壊れにくいため、炒め物に適しています。また、豚肉や豆腐といったタンパク質を組み合わせることで、栄養のバランスも良くなります。
また、ゴーヤーの苦味が苦手な方は、薄切りにして塩もみをするだけでなく、料理の最後にかつお節をふりかけると、苦味が和らぎ、旨味が引き立ちます。
まとめ
鹿児島流のゴーヤーチャンプルーは、黒豚やさつま揚げといった地元の特産品を使うことで、独自の風味と栄養価の高い料理が完成します。夏バテ防止にも最適なこの料理は、ぜひ家庭でも試してみてください。ゴーヤーの下処理やアレンジを工夫することで、さらに美味しく、健康効果も期待できるでしょう。
次回は、鹿児島の伝統野菜を使った別の料理を紹介しますので、ぜひお楽しみに!